キリストに倣いて(3.27.3 自分を愛する心はいと高き神に達するのをもっとも妨げること)
だから外部において何かを得たり、それをふやしたりすることは、あなたにとってなんの益にもならない、益になるのはむしろそういう物を軽んじて、根こそぎ心から引き抜いてしまうことである。
これはただ金銀財宝についての話ばかりではない。名誉を欲しがったり、つまらない称賛を望んだりすることや、世とともに過ぎ去るいっさいの物事についても言えるのである。
もし信仰の熱烈な精神というものがないならば、あなたはどこにいてもほとんど安全ではあるまい。また心の状態に、ほんとうの土台というものがないならば、あなたが外部に求める平和も長続きしないだろう。すなわち、わたしに頼らぬかぎり、あなたはいくら居所を変えてもよくなることは決してないのである。
なんとなれば、機会のあり次第、あなたはせっかく前に逃げて避けたもの、いや、それ以上のものにさえ出会うだろうから。