2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

キリストに倣いて(3.55.1 本性の腐敗と神の恩恵の効力とのこと)

ああ、私をご自分のみ像に似せてお造りになった、私の主なる神よ、なにとぞ主がかくも偉大で救霊のために必要であると教えたもうたその恩恵を、私にお与えください。そうすれば私は、私を罪と滅亡とに導く私の腐敗した本性に打ち勝つことができるでしょう。 …

キリストに倣いて(3.54.18 本性と恩恵とはその働きが異なること)

この恩恵は超自然的光明で、神の特別の賜物であり、選まれた者だけがもつ徴で、永遠の救霊を保障するものである。そしてそれは人を地上の物事から引き上げて、天上の物事を愛するにいたらせ、肉的から霊的に変化させるのである。 ゆえに本性を抑えつけてこれ…

キリストに倣いて(3.54.17 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は、しきりに秘密を知り、めずらしいことを聞きたがり、進んで外部に向かい自分を見せつけようとし、五官によって多くのことを経験しようとする。また人の目を引きたがり、賞賛、感嘆を博するようなことをしたがる。 ところが恩恵は、新しいことやめずら…

キリストに倣いて(3.54.16 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は万事を自分に帰し、働くのも争うのもみな自分のためにする。 しかるに恩恵は、万事をその本源なる神に帰し、いかなる善も自分によるものとせず、またうぬぼれて威張ることもない。そして争わず、自分の意見を他人の意見よりすぐれていると思わず、何を…

キリストに倣いて(3.54.15 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は何かが無くて不自由をしたり、面倒なことに出会ったりすると、すぐに不平を言う。 けれども恩恵は、不撓不屈、よく貧困を耐え忍ぶのである。

キリストに倣いて(3.54.14 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は、友人や親戚が多いことを喜びとし、位や家柄の高いことを誇りとし、権力ある人々に媚び、金持にへつらい、自分に似ている者をほめたたえる。 ところが恩恵は、自分の敵までも愛し、友人がたくさんあっても得意にならず、家柄も素性も、それにすぐれた…

キリストに倣いて(3.54.13 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は、何事も自分の儲け、自分の利益のためにし、無報酬では何一つすることがない、そしてよいことをすると、それに相当するもの、あるいはそれ以上のもの、または称賛や恩典を得ようと思い、自分の行為や贈り物の大いに尊重されることをしきりに望む。 け…

キリストに倣いて(3.54.12 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は、外界の慰めを得て、五官を楽しませることが好きである。 しかるに恩恵は、慰めをただ神にのみ求め、目に見えるいっさいの物を越えて、無上の善を楽しみとするのである。

キリストに倣いて(3.54.11 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性はとかく被造物を好み、自分の肉を愛し、虚栄に流れ、気を散らしたがる。 しかし恩恵は、神や善徳に近づき、被造物を捨て去り、世を逃れ、肉欲をきらい、気を散らすことを慎しみ、人前に出ると恥ずかしく思うのである。

キリストに倣いて(3.54.10 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は欲が深くて、与えるよりももらう方が好きで、物を独占にしたがる。 しかし恩恵は惜しまずに与え、広く人々のためを思い、自分のためを図らず、少量で満足して、「与えるは受けるよりも幸い」(使徒行録20.35)と考える。

キリストに倣いて(3.54.9 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は、この世の物事を重んじ、地上の利得を喜び、損をすると悩み、少しでも気にさわることを言われるとすぐに怒る。 ところが恩恵は、永遠の物事に意を注ぎ、時と共に過ぎ去る物に執着せず、物を失っても心を乱さず、ひどい言葉を聞いても腹を立てない。と…

キリストに倣いて(3.54.8 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は珍しい、きれいなものをほしがり、安い、粗末まものをいやがる。 けれども恩恵は、地味な、上等でないものを喜び、粗末なものをいやがらず、古物を着ることをいとわない。

キリストに倣いて(3.54.7 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は、何もせずに、体を休ませていることが好きである。 しかし恩恵はジッとしていられず、進んで労役に当たるのである。

キリストに倣いて(3.54.6 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は恥ずかしめられること、軽蔑されることを恐れる。 けれども恩恵は、イエズスの聖名のために恥ずかしめを受けると喜ぶ。

キリストに倣いて(3.54.5 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は名誉や尊敬を喜んで受ける。 しかし恩恵は名誉や光栄をことごとく忠実に神に帰するのである。

キリストに倣いて(3.54.4 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は、自分の利益のために働き、自分が他人からどういう得を収め得るかを考える。 しかるに恩恵は、何が自分の益になり得になるかということは考えずに、むしろ多くの人の利益になることを考えるのである。

キリストに倣いて(3.54.3 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は、押し殺され、束縛され、打ち負かされ、従わされることを好まない。 ところが恩恵は、自分を押し殺そうと努め、肉欲に逆らい、従うことを求め、負けることを望み、自分の自由を得ようとせず、規律の下におかれることを好んで、だれの上にも立ちたいと…

キリストに倣いて(3.54.2 本性と恩恵とはその働きが異なること)

本性は悪賢くて多くの人を引きつけ、これをまるめこんでだまそうとし、つねに自分というものを目的としている。 しかし恩恵はその行なうところ単純で、悪と見えることはことごとくこれをさけ、決してごまかそうとせず、何事をもただひたすら神のためにし、ま…

キリストに倣いて(3.54.1 本性と恩恵とはその働きが異なること)

わたしの子よ、本性と恩恵との作用をよく観察してみよ。なんとなればこの二つはその作用がはなはだ相反し、それがまたきわめて微妙なので、霊的な人や内心におん照らしをこうむっている人でなければ、なかなか識別がつかないからである。 いったい人はすべて…

キリストに倣いて(3.53.3 神の恩恵は、地上の物を味わう人に与えられぬこと)

かような高い境地までのぼろうと思うならば、あなたは自分や自分の物、物質的宝をむやみに大事にする隠れた愛情を打ち破り、根絶やしするために、勇ましく取りかかり、斧をその根に当てなければならぬ。 このむやみに自己を愛するという悪いくせこそ、打ち破…

キリストに倣いて(3.53.2 神の恩恵は、地上の物を味わう人に与えられぬこと)

ああ、この世の何物にも愛着していない人は、臨終に際していかに大なる安心があるだろう! しかし弱い人は、まだかようにまったくすべての物から離脱した心になることができないし、また肉的な人には霊的な人の自由がわからない。 けれども、ほんとうに霊的…

キリストに倣いて(3.53.1 神の恩恵は、地上の物を味わう人に与えられぬこと)

わたしの子よ、わたしの恩恵は貴重であって、外界の事物や、地上の慰めと混同することを許さない。 だからあなたは、恩恵を自分のうちに注ぎ入れられたいと望むならば、その妨げとなるものをことごとく捨て去らねばならぬ。 自分のために静かなところを選み…