キリストに倣いて(3.54.13 本性と恩恵とはその働きが異なること)

 本性は、何事も自分の儲け、自分の利益のためにし、無報酬では何一つすることがない、そしてよいことをすると、それに相当するもの、あるいはそれ以上のもの、または称賛や恩典を得ようと思い、自分の行為や贈り物の大いに尊重されることをしきりに望む。

 けれども恩恵は、この世の物は何一つ求めず、ただ神おん独りのほかには何の報いをも望まず、この人生に必要な物でも、永遠の宝を手に入れるために役立つだけあれば満足して、それ以上ほしいとは思わない。