キリストに倣いて(3.49.6 永遠の生命に対するあこがれ、および戦う者に約束された報賞がいかに大きいかということ)

 しかしわたしの子よ、こういう苦労の結果と、それが速かに終わることと、そのきわめて大きい報賞とを考えて見るがよい。そうすればあなたは、それを苦にせず、かえって忍苦のうちにもはなはだ強い慰めを感ずるだろう。

 なんとなれば、いまあなたが望んで自分の意志をほんの少し捨てたばかりに、天国では永遠に自分の意志を通すことができるからである。

 というのは、そこにはあなたの欲するもの、あなたの望み得るほどのものが、なんでもあるからである。

 そこではあらゆるよいものをうけて、しかもこれを失うおそれは決してないだろう。

 そこではあなたの意志がつねにわたしの意志と一致して、外の物事や自分一個人のことなど何も望まないだろう。

 そこではあなたは、だれにもさからわれず、だれにもあなたの不平を言われず、だれにも邪魔されず、なににも妨げられないだろう。かえってあなたの望むものはみなそこにそろっていて、あなたの心はまったく満ち足り、十二分に飽かされるだろう。そこではわたしは、あなたが受けた侮辱に対して光栄を与え、あなたの悲しみに対して称賛の美服を与え、ここではもっとも低い地位にいたのに対して、無窮の王座を与えよう。

 そこでは従順の効果が現われ、悔悛の労苦は喜びとなり、謙遜な服従は栄冠をいただくだろう。