キリストに倣いて(3.33.1 心の変わりやすいことと、神を終局の目的にすべきこと)

 わたしの子よ、あなたの刹那の気分をあてにするな。それはすぐに変わって別なものとなるからである。

 あなたの生きている間は、いやでも変化はまぬかれない。それで上機嫌がたちまち悲しみになったり、安らかな気持ちがたちまち不安になったり、敬虔がたちまち冷淡になったり、勤勉がたちまち怠惰になったり、真剣な気持がたちまち軽率になったりするのである。

 しかし賢明で霊魂によく教えを受けた者は、こういう変化の上に超然として立ち、自分が心になんと感じようが、無常の風がどちらの方角から吹こうが、そういうことには一向頓着しない、ただ自分の意を、自分の望んでいる正しい終局目的に向けるのである。

 なんとなれば、そういう人はさまざまな出来事に会っても、その心の目をまっすぐにわたしに向け確固として不動だからである。