キリストに倣いて(3.44.2 外の物に執着してはならぬこと)

 ああ主よ、私たちのこの有様はなんとしたことでしょう。ごらん下さい、この世の損失は非常に嘆き悲しみ、わずかばかりの利益を得るには、勤労し奔走するくせに、霊魂の損失は忘れてしまって、思い出すこともほとんどありません。

 またほとんど、あるいは全然、なんの役にも立たないようなことには意を注ぐくせに、何よりも必要なことはなおざりにして顧みません。これは人がまったく外部の物におぼれ切っているためで、早く自分を立て直さないと、甘んじてその中に沈みきりになってしまうでしょう。