キリストに倣いて(3.31.2 創造主を見出すためにいっさいの被造物を無視すること)
それには霊魂を高くあげて、自分を離脱させる大なる恩恵が必要であります。
また人の精神を高尚にし、すべての被造物を離れて、まったく神と一致しないならば、たとい何を知り、何を持っていようとも、それは大したことではありません。
唯一、無限、永遠の善なるおかたの外に、何かを尊び重んずる人は、いつまでも小なる者で、地を這いまわっているほかはないでしょう。
神でないものは、なんでもみな虚無ですから、虚無と考えなければなりません。
天の光明に照らされた敬虔な人の知恵と、勉強して学びおぼえた聖職者たちの知恵との間には、大きな違いがあります。
神に吹きこまれる天来の悟りは、人が才能を用いて努力して得るものより、はるかに貴いのであります。