キリストに倣いて(3.37.4 心の自由を得るために、まったく自分を捨てること)

 ある人々は自分を捨てるが、いくらか例外を設ける。これはまだ神を十分に信頼し切っていないので、自分で自分のために用意しようとするのである。

 またある人々は、最初はいっさいをささげるが、あとで誘惑におそわれると、先にささげたものをまた取りもどす。それで一向徳に進歩しないのである。

 これらの人々は、まずまったく自分を捨て、毎日自分を犠牲としないならば、清い心の真の自由も、またわたしと楽しい親交をする恩恵も、得ることができない。なんとなればこれがなくてはわたしとの喜ばしい一致は成り立たないし、またいつまでも成り立たないだろうからである。