キリストに倣いて(3.38.1 外部のことではよく自分を支配し、危険に際しては神によりすがるべきこと)

 わたしの子よ、あなたは一生けん命勉め励み、どこにいても、何事をするにも、またいかなる外部の仕事をするにも、内心は自由で、自分を支配し、すべての物事きり回し、これにきり回されることがないようにしなければならぬ。

 そして自分の行為の主となり君となり、その奴隷や臣下となることなく、むしろ自由になった真のヘブライ人のように、神の子どもの分け前と自由とを受ける者となるべきである。

 かれらはこの世の上に超然として立ち、永遠を黙想する。左の目で過ぎ行くはかない物事を眺め、右の目で天上の物事を見るのである。

 またかれらは一時的な物事に引かれて執着するようなことなく、かえって創造の時ひとつとして整然たる秩序をもって行いたまわぬことのなかった、この上ない名匠である神が定めたもうた本来の目的に、これらの物事をよく用いるのである。