キリストに倣いて(3.50.8 人はさびしいとき、いかに自分を神のおん手にお委ねすべきか)

 人の感覚は、判断をくだすときしばしば誤ります。それでこの世を愛する者は、目に見えるものを愛して、身を誤るのであります。

 他人に偉いと思われたからとて、その人はそのためにどれほど人物があがるでしょう。

 虚言者は虚言者を、倨傲者は倨傲者を、盲人は盲人を、病弱者は病弱者を、たがいにほめ合っては欺くのであります。そして人にむなしい賛辞をささげるのは、実はこれを恥ずかしめるに過ぎません。

 「人はおのおの主のおん目に映るだけの者、ただそれだけの者で、それ以上の者はない」と、謙遜な聖フランシスコは言っております。