キリストに倣いて(3.45.4 すべての人を信じてはならぬこと、および言葉で過失を起こしやすいこと)
主が「人に用心せよ」(マタイ10.17)「人は自分の家の者を敵とするだろう」(マタイ10.36)、「見よ、ここに居る、あすこに居ると言っても信ずるな」(マタイ24.23)と、私たちに前もって警告しておかれたのは、なんと賢明なことであったでしょう。
私は自分でひどい目に会って、そのことを悟りました。どうか、それが役に立って、私がいっそう用心深くなり、これ以上愚かなまねはくり返したくないものであります。
「私があなたに話すことは、用心の上にも用心して、決して他人にはもらさないでください。」とある人が言うので、私は沈黙を守り、そのことが秘密にされていることと思っていると、当の本人が、私に守ってほしいとねがったその秘密を守ることができず、たちまち私と自分とを裏切って、しかも平気なのであります。
ああ主よ、なにとぞ私を守って、こういう話しやこういう思慮のない人に出会わないようにさせてください。それは私がかれらの術に乗ったり、あるいは自分でも同様なことをしたりすることがないためであります。
私の口に真実な、変わらぬ言葉を語らせてください。そしてたくみな舌を私から遠ざけてください。
自分が他人にされたくないことは、自分でもぜひ避けるべきであります。