キリストに倣いて(3.58.5 高遠なことや、うかがい知るを許さぬ神のおぼしめしとせんさくせぬこと)
しかしそれよりはるかにとうといのは、かれらがみなわたしを、自分よりも自分の功績よりも愛することである。
なんとなれば、かれらは自分というものを超越し、自分を愛する念を離れ、わたしとの愛にまったく没頭し、満足してそのうちに安息するからである。
かれらをわたしから引き離し、かれらを抑えつけることのできるものは何もない、というのは、かれらは永遠の真理に満たされて、消えることのない愛徳の火に燃え立っているからである。
だから自分一個の快楽しか好むことを知らない、肉的官能的な人々は、諸聖人の地位について議論することなど、さしひかえるがよい。かれらがほめたりけなしたりするのは、自分の好みによるのであって、永遠の真理(神)の嘉するところに従うのではない。