キリストに倣いて(3.59.1 すべての希望と信頼とは、ただ神にのみおくべきこと)

 主よ、この世にあるもので、私の信頼し得るものはなんでしょう?また天下にあるすべての物の中、私のこの上ない慰めとなるものはなんでしょう?

 私の主なる神よ、それはおん慈愛かぎりない主ではありませんか?

 私は主を離れて、うまくいったことが、どこにあったでしょう?また主とともにいて、うまく行かなかったことが、いつあったでしょう?

 私は主を離れて金持であるよりも、むしろ主のために貧乏であるほうを望みます。

 主を離れて天をわがものとするよりも、むしろ主とともに地上にさまよいたいと思います。主のおられるところがすなわち天であって、主のおられぬところがすなわち死であり、地獄であるのであります。

 私は主に思いこがれております。それゆえどうしても主を慕って嘆き、泣き叫び、祈らずにはおられません。

 要するに私が必要なときに当たって、適切な援助を与えてもらえると、十分頼みにすることのできるものは、私の神よ、独り主があるだけで、その外には何もないのであります。

 主こそは私の希望、主こそは私の頼み、主こそは私の慰安者であり、何物にまさってもっとも忠実なお方でおいでになるのであります。