古木真理一(まりかず)神父様の講和メモ__震災における活動報告

古木神父様:サレジオ会の司祭。青年の頃、中津から十字架を背負って大分に歩いてきたという逸話の持ち主。長崎教会に15年。

被災地について:

様々な障害があります。福島(最近多い)、宮城、岩手において。月1回、司教6名、司祭7名が集まって視察している。放射能の関係で手付かず、放置されている。先月の話だが、震災直後の風景を見て、気持ち悪くなった。未だに20万人が仮設住宅にはいっている。岩手県大槌、長崎から支援。4700人が仮設。ボランティア、引越しの手伝いがない。今でも、いつでも気になることは、住民同士がうまくいかないこと。仲たがいをしている。声をかけない。東北人の気質と言われる。大槌の人は閉鎖的で、外部の者を受け入れないと言われた。被災した人といっても、財産を亡くした人、無傷の人が一緒に住んでいる。「何で俺だけが!」という声がある。

先月、いわき市に行ってきた。原発で働く人の家族。いわき市に移動してきた。お前たちが来たから悪くなったと言われる。一人10万円、5人で50万円の補償金。働くのがバカバカしい。酒入りびたり。様々なこと、家族、仕事、家の中は凄まじい。原発で働いているお母さん、全員が被爆している、我々はやるしかない。いわき市2万人、仮設に関する問題を市民は理解しない。病院で3-4時間待たないといけない。お互い様という気持ちが足りない。

南相馬市、道路を挟んで補償あり/なしが決まっている。今までは友人、親族の人たちを許せない。彼らが悪いわけではない。わかっているけど感情を抑えられない。ボランティアは重宝されている。ありがたい、苦情聞き係。話すことが出来る、聞いてもらえることはとても大切。結局、人の救いは人。人間にとって大切なのは愛されること、愛すること。自分のことを受け入れてくれる人が大切。

ボランティア、人間関係、どうやったらうまくいくのか?仮設においてはいろんなトラブルがある。人間関係。あれも出来る、専門家も来る。社協と一緒に協力してやっている。依頼されてやっている。自分たちのしたいことをするのではない。社協に対し、やり方がおかしいと言う。ボランティアが文句を言うと帰れと言われる。姿勢が基本。町の職員も被災者である。一方的にやってくるボランティア。相手の希望を聞いて対応するのが大切。これだけ多くの人が来て、これだけ多くのことをした、と大口をたたく人がいる。今年の春でボランティアをやめた団体、残ったのはカリタスだけ。どこに行ってもカリタスさん。一緒にいてくれる。信頼がある。今はいない、継続しない、他のボランティア。

ボランティアは誰のために?よけいなお世話、押し売りにしかなっていない。いかに相手の身になることが大切。聞いても言えない人がいる。「いらない」と言っても欲しがっている人がいる。地域差、年齢を考えて、相手の身になって行動すること。

知っている人、愛する人が亡くなるのが悲しい。立ち上がれない。全く部屋から出たくない。部屋から出してくれと頼まれる。地震、津波、火災(プロパンガス、一晩中ポーン、ポーンと爆発)。仮設は3ヶ月後に出来た。4700人。死人が出てくる。体育館にて絶望した人が亡くなる。仮設は川沿い、田んぼに位置し、町に出るのも大変。ショックの大きさ、絶望の大きさ。油断できない、精神的におかしくなる。ふと、我に帰ってだめになる。一番元気な人が、一番先に倒れていった。いまだに、最初に行った商工会の人々、大きなスーパーが半年後に出来た。ペナントに入って頑張ろうとしていた。借金を抱え、失敗した。手紙をもらう、「神父様、先に天国に行きます」。4-5人で仮設に行った、冷たくなっていた。仲間はなんで命を!と。俺たちの命を返せ!と。許してくれ、つらさをわからなくて、と。2人目だった。9名が自殺した。死ぬなと、病的になっている。幸せに見てていても、がんじがらめになっている。人の目を気にして、「しゃあない」、「仕方がない」と言っている、現状を受け入れている人は大丈夫。グチを言っている人はどんどん下に行く。受け入れていく人は大丈夫。反発する人は駄目。人間はあらゆるプレッシャーの中で生きている。「人の非難」がたとえあっても。。。弁解、言い訳はもうやめた。悪口も言う側の権利があろう。その気持ちで楽になった。前向きが大切。マイナス思考は駄目。

身内がいない町役場。勝手に出来ない土地関連。誰の土地か、わからない。神戸から派遣された人。精神的、体力的に問題、自死した。町を動かしているのは外部からの人。よそ者!という町民の声。株式会社を作ったが1週間で駄目になった。各人が主張をしはじめる。

行方不明者がまだ500人。将来はどうでもいい年配者。今が大切。楽しく周りと関わっていくか。あなたはピーマンさん、あなたはトマトさん。合うわけないでしょ。協力しないといけない。目的のために。誰かのために。常に。つまらない、嫌な話をしないこと。信頼を勝ち得てから忠告できる。信頼のない人は、どんどん離れる。周りのせい?相手に求めないこと。自分がどうあるべきかが大切。善意?自分の為?

マナーとは、相手のことを意識すること。周りが見えないのでは駄目。相手を意識して行動。自分の開拓、お互い様を言えるように!自分作り。自分を幸せにすること。もらわないと与えられない。自分は誰かの為に生きていく。「恵み」。いっぱいもらわないといけない。常に自分を幸せにすること。自分自身の内面を第一にすること。そうしないと神様が第一にならない。

ボランティアに行きたい、行けない。それは神様が用意する。その時期が来れば。目的地はあなたの住む場所。そういう自分の為に。自己満足ではいけない。大切なのは自分のいる場所。勇気をもって。生きている場所で。どういう心でやっているのか?大切なことは、何をしたかではない。どういう心で行ったのか!「芝居」をしてください。壁に向かって。自然と自分のものになる。やらないといけない。

大槌の人口。16000人から12000人になる。蒲江市の新日鉄の溶鉱炉が止まった。

質問:どうしてこういうことが許されるの?

私はこういうものを恨んでいませんと言う被災者。感覚がわからないわけでもない。人間に問題がある。火山、自然、そういうものが存在している。危険なところに住む、その対応の仕方が悪い。3回位経験してきている大槌の人々。どういう状況でも受け入れること。それが復興。自分たちのことを考えているだけじゃ駄目。継続が大切。忘れないこと。長崎では、「また寄付するのか?」という声があった。量の問題ではなく、善意。する側も負担になるならやめて欲しい。続けていくことが大切。中身が大切。食べていくものがいい。値段をつけること、無料は良くない。仮設48ヶ所。まわるのも大変。クリスマス会34ヶ所。年明けの新年会。

以上