キリストに倣いて(3.40.4 人は自分では一つの善をも有せず、何事とも誇り得ぬこと)

  主に感謝いたします、私にとって何かがうまくいくのは、いつでもみな主から出るのであります。

 しかし私は主のみ前に出たら空であり無であり、変わりやすい弱い人間であります。

 ですから私は何を誇ることができましょう。またどうして人に尊敬されたいなどと思うことができましょう。

 私が無であるからでしょうか?そうであるとすれば、なんという愚かなことでしょう。

 実際、虚栄心は一種の悪い病気で、もっともむなしいことであります。なんとなれば、それは私たちから真の光栄を剥ぎ取り、天来の恩恵をうばい去るからであります。

 というのは、人は自分をよしとすれば主に嘉されず、他人の称賛を望めば真の徳を失うからであります。