キリストに倣いて(3.45.5 すべての人を信じてはならぬこと、および言葉で過失を起こしやすいこと)

 ああ、他人のことには沈黙を守り、言われたことをなんでもむやみに信ぜず、聞いたことをかるがるしく他に伝えず、ごく少数の人にしか心を打ち明けず、人の心をごらんになる主をつねに求め、いろいろな言葉の風に吹き回されず、内外万事主のみ旨のままに行なわれることを望むのは、なんと善であって平安をもたらすことでしょう!

 また人の目に立つことは避け、世間の賞賛をかちえそうなことは求めず、一生けんめい生活をあらため熱心を増すために励むのは、天来からの恩恵を失わぬ上に、どれほど安全でしょう!

 自分の善徳を人に知られ、あまり早く賞賛されたために、害を受けた者がいかに多くあることでしょう!

 誘惑と戦闘のみのこのはかない人生において、沈黙を守って恩恵を失わぬようにするのはいかに有益なことでしょう。