キリストに倣いて(3.46.2 悪口されたときは、神を信頼すべきこと)

 しかしもっとよく自分の心の内を探ってみよ、そうすればあなたは、世間というものと、人の気に入りたいというむなしい望みとが、まだ自分のうちに生きていることに気がつくだろう。

 なんとなれば、あなたが自分の欠点のためにさげすまれ、恥ずかしめられることを喜ばないうちは、あなたがほんとうに謙遜でもなければ、ほんとうに世に死してもおらず、世もまたあなたに対して十字架に付けられていないことは、明らかであるからである。

 しかしわたしの言葉に耳を傾けよ、そうすればあなたは人々の千万の言葉も気にかけなくなるだろう。

 見よ、人間が悪意で思いつくことのできる、あらんかぎりの悪口雑言をあなたに対して浴せかけたとしても、もしあなたがそれを聞き流して、わら一本ほどにも思わぬなら、なんの害をあなたに与えることができよう?あなたから頭髪一筋抜き取ることすらできないではないか?