キリストに倣いて(4.1.12 いかにうやうやしくキリストをお受けすべきか)

 しかし大いに嘆かわしく、残念千万なのは、私たちが生温く怠りがちで、救われるべき者の希望も功績もすべてキリストに基づいているのに、もっと深い愛情をもってそのキリストを拝領したいと思わないこと、これであります。

 なんとなれば、主は私たちの成聖と贖いと(コリント前書1.30)であり、浮世の旅路における私たちの慰めであり、諸聖人の永遠の福楽であらせられるからであります。

 ですから天を喜ばせ、全世界を保つ、この救いの奥義に、これほど注意しない人が多いということは、まことに嘆かわしい次第であります。

 ああ悲しいかな、かように言葉に尽くせぬ賜物を考えもせず、毎日拝領しながらそれを重んじなくなる、人の心の盲目無情はどうでしょう。