キリストに倣いて(4.4.3 敬虔に聖体を拝領する者には多くの恩恵が与えられること)

 ああ私の神、私の魂の擁護者、人間の弱さを補い、あらゆる内的慰安をお与えになるおかたよ、主は敬虔に聖体を拝領する主のお愛しになる者に、この秘跡で多くのおん恵をお与えくださいましたし、またいまもなおしばしばお与えくださいます。

 なんとなれば主は種々の患難に際してかれらに多くの慰めを注ぎ、失望落胆の底からこれを引き上げて主のご加護を希望させ、新たに恩恵をたれて内的にこれを力づけ照らし、聖体拝領前心配してなんの愛情も感じなかった者でも、この天上の食物飲物に元気づけられたのちは、自分がよいほうに変わったと気づくようにしてくださるからであります。

 主がお選みになった者に対して、かようになさるのは、かれらに自分だけではその弱さがどれほどひどいか、主のおん恵みご恩恵から得るところがいかに多いかを、真に認めさせ、明らかに体験させてくださるためなのであります。

 なんとなればかれらは、自分独りだけでは、冷淡でなんの感情もわかず、不信心でありますが、主によって熱心に、快活に、信心深くされるからであります。

 じつに、だれか謙遜に甘露の泉に近づいて、それから少しは甘露を得て帰らない者がありましょうか?

 まただれか烈しい火のそばに立って、それから少しは熱を受けない者がありましょうか?

 そして主はいつも満ちあふれる泉であり、常に燃え決しておとろえることのない火でおいでになるのであります。