キリストに倣いて(4.5.1 秘跡の尊さと司祭の地位について)

 お愛しする者のおこえ

 あなたはたとい天使のような純潔と、洗者聖ヨハネのような聖徳とをもっているとしても、この秘跡を拝領し、あるいはこれを取りあつかう値打はないのである。

 なんとなれば、人がキリストの秘跡を聖別し取りあつかい、また自分の食物として天使のパンをいただくということ、これは人間の功績によるのではないからである。

 偉大なるかな、この秘跡。また偉大なるかな、司祭の位。司祭には諸天使にさえ許されていないものが与えられているのである。

 なんとなれば、教会で正式に叙階された司祭たちだけ、ミサを行ない、キリストのおんからだを聖別する権を有しているからである。

 司祭はなるほど神に仕える者であって、神のお命令とお制定とにより神のみ言葉を用いるのであるが、その主要な作者であり、目に見えない行動者であるのは、神ご自身なのであって、すべてのものは主の聖意に従い、万物そのご命令を奉ずるのである。