キリストに倣いて(4.15.2 敬虔の恩恵は謙遜と克己とによって得られること)

 もし恩恵がいつでもすぐに与えられ、望むままに受けられるものであるならば、人間の弱さはとうていそれにたえ切れまい。

 それゆえ敬虔の恩恵は、十分な希望と謙遜な忍耐とをもって、待ち望むべきである。そしてそれがあなたに与えられなかったり、あるいはひそかに取り去られたりした場合には、その原因が自分および自分の罪にあるのだと思え。

 往々ささいなことが恩恵をさえぎりとどめたり、あるいはこれをおおいかくしたりすることがある。かくも大なるよきものを妨げるのであるから、ささいなこととは言え、実はむしろ重大なことと言えないだろうか。

 しかしそれがささいにせよ、重大にせよ、これを除き去り、まったくこれに打ち勝つならば、あなたのねがいはかなうだろう。