キリストに倣いて(3.58.7 高遠なことや、うかがい知るを許さぬ神のおぼしめしをせんさくせぬこと)

 だからわたしの子よ、あなたが知り得ぬ物事を、物好きに論ずることを慎しみ、むしろ神のみ国の相続者中に、たといその最小の者としてでも仲間入りができるよう心がけ、努めるべきである。

 そしてまた、たとい天国でだれがひときわすぐれて聖であり偉大であるということを知ったとしても、それを機会に、わたしの前にへりくだり、いっそう熱心にわたしの名を賛美するようになるのでなければ、その知識もなんの役に立とうか?

 諸聖人のだれが偉いか偉くないかを論ずるよりも、自分の罪の大きいことや、徳の少ないことや、諸聖人の完徳に遠くおよばぬことを考えるほうが、よほど神のみ心に適う。

 また無益なせんさくをして諸聖人の秘密を探るよりも、熱烈な祈りと涙とでかれらを呼び頼み、謙遜な心でその光栄ある代祷をねがうほうがよいのである。