2018-01-01から1年間の記事一覧
ああ、人々がもし知識上のことを問題にするほど熱心に、悪を去り善を行なうのに努めたならば、世間にはこれほど多くの罪悪や醜聞も起こらず、また修道院内にもこれほど多くの不規律はなかったろうに。 まことに、審判の日に私たちが尋ねられるのは、なにを読…
すべてこの世の完全には、必ず多少不完全な所があり、すべて私たちの悟りにはいくぶんあいまいな所があるのを免れない。 だからけんそんに自分のどういう者であるかを認めることは、学問を深く究めるよりも神に至るいっそうたしかな道である。 しかし学問や…
人は精神を統一して、心をよけいな物からはなせばはなすほど、かくべつ骨を折らずともますます多く高尚なことがらを悟るだろう。それは、天から知恵の光明を受けるからである。 心が清く、純でしっかりしている人は、いろいろな仕事にも決して気を散らさない…
私たちには物の種類や区別を論ずる学者の説など、なんの関係があろうか!永遠のみ言葉を聴く人は、さまざまの説に惑わされずにすむのである。 万物は一つのみ言葉によって成り、すべてこの唯一の創造主を語っている。これこそ万物の本源であって、いまも私た…
消え去る形象や言語によらず、ありのままの姿で真理(神)ご自身から直接教えを受ける人は幸福である。 私たちの意見や感覚はしばしばあてにならないし、私たちの見る所はまたきわめて狭い。 だから奥深くてわからないことがらをいろいろ根ほり葉ほり考えてみ…
最も高尚で有益な学問は、本当に自分というものを知ってこれを軽んずることである。 自分をつまらない者と思い、他人を自分よりよい人偉い人と尊敬するのは、大きい知恵であり完全である。 あなたはたとい他人が公けに悪事を行ない、または重大な罪を犯すの…
多く知り深く学ぶほどあなたの生活がいよいよ聖にならないならば、それだけあなたは厳しく審判されるだろう。 それゆえどんなに技芸や学問があっても高ぶってはならぬ。むしろあなたに与えられた知識のために恐れ慎しむべきである。 もし自分は知識が豊富で…
むやみに物事を知りたいと望む心を捨てよ。なんとなれば、それは心の乱れと迷いとを引き起こすに過ぎないからである。 いろいろなことを知っていいる者は、とかく他人に博学と思われ賢い人と言われたがる。 しかし、知ったところで霊魂に利益の少ないことや…
人は生まれつき、知りたいと望む。けれども多く知ったところで、神を畏れる心がなければ、なんの役にたとう。 まことに神に仕える謙遜な百姓は、自分という者をお留守にして、天体の運行を観測する高慢な学者より、はるかにましであろう。 本当に自分を知る…
しばしば次ぎの賢人の言葉を思い出すがよい、「目は見るに飽くことなく、耳は聞くに満つることがない」(伝道書1.8)と。だから目に見える物を愛する念を去り、見えない物に心を向けるがよい。なんとなれば、五官の欲に従う者はその良心を汚し神の恩恵を失うか…
それゆえ滅ぶべき財宝を求めて、これを頼みにするのはむなしいことである。名誉にあこがれて高い地位にのぼるのはむなしいことである。 肉欲にふけって、いつかきびしい罰を受けなければならぬ悪事を求めるのはむなしいことである。 長生きすることばかり望…
あなたがもし謙遜でなくて聖三位のおぼしめしにかなわぬならば、聖三位について深い議論をすることができても、なんの役に立とう。 まことに人を聖人義人にするのは高尚な言葉ではない。私たちを神に愛される者とするのは、ただ徳の高い生涯だけである。 私…
キリストのみ教えは諸聖人のあらゆる教えにまさっているから、キリストのご精神をもっている者はだれでも、その(み教えの)なかに「隠れたマンナ」(黙示録2.17)を見出すに相違ない。ところが往々多くの人が、たびたび聖福音を聞きながらほとんど心を動か…
主は言っておいでになる、「わたしに従う人は暗やみを歩まない」(ヨハネ8.12)と。これはキリストのお口から出たみ言葉であって、私たちがもし本当に光明を得、心のあらゆる闇から逃れたいと思うならば、そのご生涯とおん行ないとに忠実に倣わなければならぬ…
理知や自然の研究はすべて信仰に従うべきもので、それに先だったり反対したりすべきものではない。 なんとなれば、この世では信仰と愛とが最もすぐれており、このいとも聖なる、いとも尊き秘跡において人知れず働くからである。 永遠、無量、能力無限の神は…
だからすなおな疑わぬ信仰をもって進み、へりくだってうやうやしくこの秘跡に近づくがよい。そしてあなたの悟り得ぬことは、すべて全能なる神に安心してお任せせよ。 神は決してあざむきたもうことがない。あざむかれるのは、自分というものをあまりに信じす…
信仰やこの秘跡について、ひどい誘惑に会う者がある。けれどもこれはその人のせいではなくて、むしろ仇敵のせいである。 心配せず、あなたの思想と争ったり、悪魔の吹きこむ疑惑に答えたりすることなく、神のみ言葉を信じ、その諸聖人、預言者たちを信ずるが…
論を闘わす困難な道を捨てて、神のみ掟の平坦で間違いのない道を行く素直な人はしあわせである。 高遠なことをせんさくしようとしているうちに、信心を失ってしまった人も多い。 あなたに要求されているのは、信仰と誠実な生活とである。理解の深さでもなけ…
お愛しする者のおこえ あなたは、もし懐疑の深淵に沈みたくないならば、この奥深い秘跡について好奇心に駆られ、無益なせんさくをしないよう用心しなければならぬ。 「神のみ稜威をせんさくする者は、その光栄に圧倒されるだろう。」(格言25.27) 神が事をな…
ねがわくはあらゆる国、あらゆる民族、あらゆる言語の人々もこの上ない歓呼と熱烈な信心をもって、主をほめ、主の神聖甘美なみ名を称えますように。 またねがわくは、うやうやしく敬虔に主のいと尊き秘跡を祝い、信仰に満ちてこれを拝領するすべての人が、主…
ああ主よ、私の神よ、言葉に尽くされぬ主のみ稜威の偉大さにより、当然主にささげるべき、無限の賞賛と無量の称栄とをおささげしようとする、私のねがいと望みとをお受けください。 私はこれをいまおささげし、また毎日おささげしたいと望み、天にあるすべて…
また主の幸いな先駆者、諸聖人の中でも最もすぐれている洗者ヨハネが、まだ胎内にこもっていた時、主のみ前で聖霊により喜びおどり、なお、そののちイエズスが人々の中をおあるきになるのを見て、へりくだり、うやうやしく愛情をもって、「新郎の友として立…
そして私はたといこれらの敬虔な感情をすべては抱くに足らない者でありましても、それでもなお、ちょうど私だけ、み意に適う熱烈なこれらの望みをことごとく有しているかのように、私の心の愛情を全部主におささげいたします。 そうです、およそ敬虔な心の人…
弟子のこえ ああ主よ、生活が聖く、信心にもっとも熱心で、主にもっとも嘉されていた多くの聖人や敬虔な人々が、聖体を拝領する時主を熱望したように、私もこの上ない敬虔と、燃える愛とをもって、私の心の愛情と熱誠とのかぎりを尽くし、主を拝領したいと思…
ねがわくは、主がお来臨になって、それにより私をまったく燃やし、焼き尽くし、主に同化して下さるように。そうすれば私は、内的一致の恩恵によって、また熱烈な愛に融合されて、主と一つになることができるでしょう。 私を飢え渇いたままで、みもとからお去…
ごらん下さい、私はみ前に貧しくはだかで立ち、主のご恩恵を請い求め、主のおん哀れみをおねがいいたします。 なにとぞこの飢えた乞食に食を恵み、主の愛の火をもって私の冷淡な心を燃やし、主の臨御の輝きをもって私の盲目を照らして下さい。 私に地上いっ…
弟子のこえ ああいとも甘美で慈しみ深い主よ、私はいま主を敬い謹んで拝領したいと思いますが、主は私の弱さも私が必要に悩んでいることも、その他私がいかに大なる罪悪や悪習におぼれているか、いかにしばしば圧迫され、誘惑され、悩まされ、汚されているか…
「その時その人は見て満ちあふれ、おどろき、その心は広く」(イザヤ60.5)なるだろう、それは主のおん手がかれとともにあり、かれはまったく自分を永遠にそのおん手のうちにお任せしているからである。見よ、心を尽くして神を求め、その霊魂がむなしいことを…
あなたが心を尽くして神に自分をささげ、自分の好みに従ってこれをとったりあれを取ったりせず、自分をまったく主にお任せするやいなや、たちまちあなたは神と合一し平和を得るだろう、それは神のみ意をお喜ばせすることほど、あなたを楽しませ満足させるこ…
もし恩恵がいつでもすぐに与えられ、望むままに受けられるものであるならば、人間の弱さはとうていそれにたえ切れまい。 それゆえ敬虔の恩恵は、十分な希望と謙遜な忍耐とをもって、待ち望むべきである。そしてそれがあなたに与えられなかったり、あるいはひ…